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業界別土壌汚染状況について

ここ近年、各業界において土壌汚染対策への取り組みが進められている企業が出てきています。ここでは、業種ごとの土壌汚染状況を見てみたいと思います。
1)製造業
2)クリーニング業界(洗濯業)
3)ガソリンスタンド
4)廃棄物処理業
5)銀行業務と土壌汚染
これらの業界では土壌汚染への取り組みが急務とされているため、近年調査等も増加してきています。
現在、土壌汚染が発見されている背景には、高度経済成長時代に使用された化学物質によって汚染された土壌が、近年のISO14001取得による取り組みの中で発見されているものと考えられています。
欧米では米国の1980年12月に制定されたスーパーファンド法(米国版土壌汚染対策法)を契機に、企業は環境リスクとして土壌汚染リスクを大きく取り上げています。
(1)製造業における土壌汚染状況
ここ最近の景気低迷によって工場の閉鎖が相次ぎ、工場跡地など汚染の可能性のある土地をマンション用地等に転用するケースが増えてきています。
土壌汚染の具体事例は以下の通りです。
- 工場の主な業務内容
繊維製造業においてウレタンフォーム等高性能断熱材製造- 汚染が発見された経緯
工場移転のため、工場の解体撤去工事を行っているところ発見された。 - 土壌汚染の原因とは
昭和35~40年まで廃棄物の集積所であり、コンクリート舗装の下、深さ1mのところに当時洗浄溶液として使用されていたトリクロエチレンが入った一斗缶が埋設されていた。これが腐食して漏れだし、微生物分解により、シス-1,2-ジクロロエチレンが生成されたものと断定された。また、昭和35年~61年まで、ウレタン原液の製造およびウレタン発砲を行っていた際、設備や容器の洗浄剤にもちいていたトリクロエチレンやジクロロメタンが朗詠したものと断定された。
- 汚染が発見された経緯
- 工場の主な業務内容
化学工場での医薬品の製造- 汚染が発見された経緯
工場が閉鎖されるにあたり、土地を分筆。約半分を不動産会社に売却した。
残りの土地上に事務所ビルを建設することを計画したが、調査の結果汚染が発覚される。そのため不動産会社から売買契約を解除された。 - 土壌汚染の原因とは
昭和38~47年にかけて、錠剤のコーティング剤の溶剤としてトリクロロエチレンを使用していた。
また医薬品として昭和40年代まで水銀含有軟膏を製造していた。昭和38年~47年にかけて600kgの砒素も使用。
- 汚染が発見された経緯
- 工場の主な業務内容
非鉄金属製造業において特殊金属線、粉末合金の製造を行っていた。- 汚染が発見された経緯
地元自治体の指導で1988年に調査した結果、地下水から環境基準の46,000倍のトリクロロエチレンが発見された。 - 土壌汚染の原因とは
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンは、製品および材料のの脱脂洗浄剤として使用。
フッ素は金属線材の表面洗浄剤として、六価クロムはめっき液として、砒素は化合物半導体の原材料として使用していた。
いずれも使用中の液の飛散や、貯液槽または配管からの漏えいが汚染の原因であると推定されている。
- 汚染が発見された経緯
- 工場の主な業務内容
輸送用機械器具製造業においてエンジン部品等の製造を行う。- 汚染が発見された経緯
ISO14001取得により、土壌および地下水についての調査に取り組んだところ土壌の汚染が発見された。 - 土壌汚染の原因とは
エンジン部品を製造する熱処理工程において、微量のシアンが発生していた。
シアンを含む廃液は、鉄製のタンクに回収され、その後、ドラムドライヤーで乾燥し、ケーキ化(固形化)されている。その際にドラムドライヤー周辺に廃液がこぼれて、コンクリートの亀裂から土壌に染み込ん汚染した可能性がある。
- 汚染が発見された経緯
2)クリーニング業界における土壌汚染状況
・クリーニング業における汚染は、電気機械器具製造業、金属製品製造業についで3番目に多い。
- 汚染物質の特徴
- クリーニングにおける汚染調査を行った場合土壌・地下水より検出される主な汚染物質は、テトラクロロエチレンを中心とした揮発性有機塩素化合物になります。
- 有機塩素化合物は微生物分解により、最終的には二酸化炭素まで分解されますが、土壌中や地下水における微生物分解量はわずかであるため10~20年前の汚染が高濃度のまま維持されている場合が多いのが現状です。
有機塩素化合物の特性としては、比重が水より大きく、粘性が低いためコンクリートも通過して地下に浸透、広範囲に汚染をもたらす可能性が高くなります。
またドライクリーニング業は住宅地で行われることが多く、汚染が発覚した場合地下水を含めた広域な汚染となる場合が多い。
3)ガソリンスタンド業界
ガソリンスタンドにおける一番の汚染原因は油になります。ただ、油汚染については、土壌汚染対策法において基準が定められていないため、油に含有するベンゼンのみが規定されています。
汚染の原因は,埋設配管の接続部分からの漏洩、タンクの老朽化による亀裂からの漏洩の可能性が指摘されていて、ガソリンスタンドの解体時には各自治体への届出が必要な場合もあるので注意が必要です。
- 汚染が発覚する理由としては
- 飲用の井戸水より油膜、油臭がみつかった。
- 施設の破損事故に伴って、河川や海洋、水田等に油が流出し、油膜、油臭が発生し、地域住民から苦情が寄せられた。
- 土地の改変等に伴って、油膜、油臭が見つかった。
- 用地の売却・変更に伴う調査で、汚染の可能性が見つかった。
などが挙げられます。
ガソリン、軽油等は揮発性であるため、地下への浸透とともに大気への放散も起こりうるので取り扱いには十分注意が必要になります。
4)廃棄物処理業
- 廃棄物処理業において、施設別で見ると以下のような状況になります。
- 焼却施設では燃焼灰に含有するダイオキシンや重金属(水銀、鉛、カドミウムなどが多い)による土壌汚染の恐れがあります。排水溝が劣化していたり、ひび割れを起こしている場合など、流れ出た燃焼灰が当該敷地を汚染する可能性もあります。
破砕施設では、破砕物に含有する重金属や脱脂洗浄に使用されるトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの揮発性有機化合物による汚染の可能性があります。
蒸留施設では持ち込まれる廃溶剤の管理・集塵装置の洗浄排水などにより、揮発性有機溶剤・溶剤に含まれている重金属・油による汚染のおそれがあります。
- 焼却施設では燃焼灰に含有するダイオキシンや重金属(水銀、鉛、カドミウムなどが多い)による土壌汚染の恐れがあります。排水溝が劣化していたり、ひび割れを起こしている場合など、流れ出た燃焼灰が当該敷地を汚染する可能性もあります。
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